2025/08/19
TRiSTAR第3期フェロー・金川 哲也らの研究グループは、理論的な手法により、マグマ流動を表す2種類の数理モデルから、結晶と気泡を含むマグマ中のP波伝播を表現する新しい方程式を導出しました。その結果、気泡と結晶の割合が増加するとP波の伝播速度が減少すること、その度合いは結晶に比べ気泡の方が著しく大きいことを明らかにしました。一方、減衰に与える影響は、気泡よりも結晶の方が顕著であることも分かりました。また、2種類のモデルの間で、周波数や気泡の割合に対する波形の依存性に違いが見られました。
本研究では、P波の波形から結晶や気泡の割合を推定し、火山噴火の予知システムの構築を可能性を秘めており、今後はの方程式と機械学習を組み合わせ、P波の波形から結晶や気泡の割合を推定し、火山噴火の予知システムの構築を目指します。
本研究成果は、2025年4⽉9⽇ に、国際学術誌「Physics of Fluids」にオンライン掲載されました。
掲載誌情報
【題名】 Weakly nonlinear wave propagation in magma containing crystals and bubbles (結晶と気泡を含むマグマ中の弱⾮線形波動の伝播)
【掲載誌】Physics of Fluids
【DOI】 10.1063/5.0251612
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