2023/10/06
トランスボーダーサイエンスキャンプを開催しました(2023年9月21日-22日)
2023年9月21日-22日にTRiSTARフェローおよびプリフェローを対象としたサイエンスキャンプをつくばグランドホテルにて開催しました。
本プログラムでは所属機関・研究分野を超えた交流を行うことにより、多様な分野を専門に持つ研究者との人脈の拡大と、自己研鑽による自らの研究課題に対するインスピレーションの獲得を進めることを目的として実施し、第1期~第3期フェローおよびプリフェロー20名に加えてゲストスピーカー2名、主催関係者11名の計33名が参加しました。
プログラムの概要
1. 研究者間の理解を深める
分野の異なる相手とお互いの研究を理解し合うことを目的に、サイエンスキャンプに初めて参加するフェロー・プリフェロー10名に、1人3分間で自身の研究を紹介してもらいました。その後、参加者準備したポスターにて詳細な内容説明やディスカッションを行いました。この2ステップを通じて、自身の専門と異なる分野にも関心がわき、新たな研究者間の交流の場となりました。

2. 世界を視野に活動の幅を広げる
ゲストスピーカーには、
JICA筑波センターの
睦好 絵美子氏と
JICA緒方貞子平和開発研究所の
宮原 千絵氏を招聘しました。
睦好氏からは「途上国の課題解決に向けたJICAの取り組み~途上国政府及び民間セクターとのパートナーシップ、国際イニシアチブに着目して~」というテーマでアフリカを舞台にしたスタートアップビジネスの支援など、宮原氏からは「
実務者の立場から見る研究への期待と課題(中東での実践を中心に) 」というテーマで中東ヨルダンでの異なる文化・考え方を持つ方との事業の進め方など、国内外での豊富な経験をもとに得た知見についてわかりやすくお話いただきました。
ゲストスピーカーには講演以外にも複数のプログラムに参加いただき、若手研究者との対話を通じて様々な観点からの助言やご指導をいただきました。
3. 研究環境の改善、時間確保、ワークライフバランスを考える
- 研究者のウェルビーイングを高めるために ~Process-Based Therapyを応用して~
- 研究者ウェルビーイングを考えるワークショップ
昨年度のサイエンスキャンプと同様、研究者のウェルビーイングを考えるワークショップを開催しました。
昨年度参加経験のある⽅には、臨床⼼理⼠でもある菅原 ⼤地助教(筑波⼤学・⼈間系)による、Process-Based Therapyを利⽤した課題発⾒・解決のためのワークを⾏いました。サイエンスキャンプに初めて参加した⽅には、昨年と同様に⾃分の「理想の⼀⽇」を考え、その実現⼿段や弊害となる要因を考えるワークショップを⾏いました。
どちらのワークショップも、研究者あるいは⼀個⼈として、何が⼤切でどのように過ごしたいかを振り返り、共有する機会となりました。
4. 共創・融合をイメージした思考の場
文系、理系、専門分野をばらばらに構成した5つのグループに分かれ、自身の研究の関心、モチベーション、自分の持つ能力、そして今後の課題を紹介し合い、共創と融合を目指したブレインストーミングをしました。自身の専門分野の枠を超え、新たな研究の展開を可能にする他分野の知見をお互いに見出し、対話を通じてさらに発想を広げることで、トランスボーダーな共同研究の提案や新しい時代の学術分野の構想など、多彩なアイデアが生まれる場となりました。
全体のセッションを通して、
他の研究者の考えや姿勢から大いに刺激を受けることができ、参加者からは有益な学びの場であったとの声が多く聞かれました。